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9月8日(日)に新地町農村生活改善センター視聴覚室において、福島大学共生システム理工学類教授・黒沢高秀先生の講演会を開催しました。演題は「津波による浜辺植生の変化と復旧事業における湿地再生への取り組み」です。また、講演会後には埒浜防災緑地公園湿地観察会と松川浦植生保護地を観察しました。
この講演会や埒浜防災緑地湿地観察会を開催するに当たって、私は6月初めに新地町役場復興推進室に行きました。講演会の施設を借りたり、広報「新地」にお知らせを掲載してもらいたいと思ったからです。埒浜防災緑地に、植生保護のための湿地があることを新地町民はほとんど知りません。あそこに湿地がある意味を、ぜひ町民の皆さんに知ってもらいたいと思いました。復興推進室の係の方に大変親切に対応していただき、話は順調に進みました。イベント後援申請書の「後援を必要とする理由・期待する効果」の欄に黒沢先生の資料を参考にして次のように書きました。
〜東日本大震災の生態系への影響は「被害」として語られることも多いが、人により失われた海岸の湿地や干潟が再生した一面もあった。新地町でもウミミドリやミズアオイなど、震災前には見られなかった希少種の生育が確認された。復旧・復興工事では海岸の環境が大きく変化し、絶滅危惧種の生育地を含む多数の海岸植生が既に消失しているが、新地町では工事の際に生態系への配慮が行われ、2ヘクタールの湿地が復元されている。新地町民が講演を聴いたり、埒浜防災緑地湿地の植物を観察することで、植生保護の意義について理解を深めることができると思われる〜
先日、講演会に参加していた友人に感想を聞く機会がありました。友人は、なぜ田んぼの向こう側に草ボウボウの湿地があるのだろうと思っていたそうです。どうして田んぼにならなかったのかなと不思議に思っていたと言っていました。講演会を聴いて、あそこに湿地がある意味が分かったし、福島の海岸はテトラポットに埋め尽くされて、自然海岸がないのね。そう言えば、昔は浜の方にはガマとヨシが繁っていたよねとも話していました。わずか2ヘクタールですが、ここには浦であったこの土地本来の姿があります。
この湿地は3月に工事が終了しました。気になって時々見に来ていましたが、大型重機が行ったり来たりしていてまるで工事現場でした。湿地がこれで復元するのだろうかと、内心は心配でした。昨年、黒沢先生にそのことを尋ねたら、地面を海面と同じくらい掘り下げれば大丈夫でしょうという返事でした。なるほど、今年6月にはコウキヤガラが群生していました。種子というものは強いものですね。環境が合い、除草剤をまかなければすぐ出てきます。
埒浜防災緑地湿地観察会ではミズアオイも確認されました。聞けばすぐ答えてくれる黒沢先生のもと、有意義な観察会ができました。
多様な植生が身近にあってこそ、豊かな自然があると言えるのでしょう。ここに来ると小鳥のさえずりがチチッチチッとします。エサがあり、隠れる場所があるからでしょう。
そんなことにも気付きました。
(2019/09/27 記
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